http://randal.blog91.fc2.com/blog-entry-790.htmlアニメ化に向けて――メッセージ
監督 古橋一浩(ふるはし かずひろ)
プロフィール:1960年生まれ。アニメーターから演出を経て監督となる。「うる星やつら」(作画監督)、「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」(監督)、「HUNTER×HUNTER」(監督)、「RD 潜脳調査室」(監督)など代表作多数。
めぐりあう刻を感じました
今回、サンライズの小形尚弘プロデューサーに「機動戦士ガンダムUC」監督のお話をいただいた時、めぐりあう刻を感じずにはいられませんでした。
私が31年前、同郷の加藤直之氏に進路相談にお伺いしたおり、お話いただいたのが初代の「機動戦士ガンダム」でした。翌年上京した年に放送され、私も刻と共に仕事内容を替え30年、昨年ライフワークと呼べる作品を作ることが出来、区切りがついたところで、新たなスタートを切るに願ってもないタイトルです。
年齢が年齢だけに最近のガンダムシリーズはわからないのですが、今回は初代「機動戦士ガンダム」に近い路線、年齢も高い層に向けて作っていきたいとの企画意図を聞き、優秀なスタッフと共に作っていければ、やり遂げられるのではないかと引き受けた次第。小説の福井晴敏氏とも密にやりとりをして、映像作品としての「機動戦士ガンダムUC」をお目にかけたいと存じます。
ストーリー 福井晴敏(ふくい はるとし)
プロフィール:1968年生まれ。1998年に「Twelve.Y.O.」で第44回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。「亡国のイージス」「終戦のローレライ」「Op.ローズダスト」など著作・映画化作品多数。現在月刊ガンダムエースにて「機動戦士ガンダムUC」を連載中。
まず言いたいのは「お待たせしました!」
ようやく「機動戦士ガンダムUC」のアニメ化決定をお伝えできます。アニメ化の話は企画立ち上げ時から上がってはいたんです。それはそうですよね。安彦良和さんとカトキハジメさんを巻き込んで、サンライズ公認の下で宇宙世紀の正史にまで踏み込んでいって、これだけ材料が揃っているんですから、普通に考えれば動き出さないなんて選択肢はない。逆に言えばアニメ化まで持っていけないのなら、自分が関わる意味も、お二人にお願いする意味もなくなってしまう。そういう気持ちでこれまで取り込んできました。読者の皆様からもよく「アニメ化しないんですか?」と聞かれていたので、今ようやく発表できて「お待たせしました!」という気持ちです。
昨今のマーケティング戦略やアニメ的な“お約束”が主体の作品作りに満足していない人たちは、アニメの現場にもサンライズさんにも大勢いて、今回の「機動戦士ガンダムUC」では古橋監督を始めそういった志あるスタッフが集まってくれました。今ドラマツルギーを主体とした作品作りをキチンとお金をかけてできるのは「ガンダム」をおいて他にはないわけで、全員この作品に取り組む意気込みは半端ではないです。第1話の絵コンテを見れば、これはちょっとすごいものができあがるぞという実感を持っています。また、実写映画よりもたくさんの要素を詰め込める分、これほど自分の作品が忠実に映像化されるのも初めてですね。もちろんエピソードの取捨選択はある程度は必要なんですが、これは書いた本人の方が遠慮なくできるだろうということで、私も作品構成に参加しています。たくさんの人を巻き込んで発案した人間として、皆さんのお手元にお届けするところまで責任を持って関わっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。